Pool

ボクは愛情の密輸人のようだよ、と
みんなの憧れの人が小さく笑いながら言った。
わたしを迎えに来て乗せた途端
『お、ここのご主人様やないかね。手を振ってるんは。』
と駅まで走るタクシーのおじいさんがニコニコと目を細めた。
彼のファンはたくさんいて、たくさんいて
とにかく、まぁ日本全国の人を惹き付けて止まない。
70歳を過ぎた彼が仮に死んだら、、、白い着物で『ばぁぁぁ〜〜〜！！』
と、悪戯っ子の様にふざけて起き上がって来そうだな、と思った。
また、雑談をして彼の引き出しを覗きたい。心の垢が落ちる。魂が生き返る。