フランス資本で制作した大島渚監督作品。
ゆーせんの無料テレビGyaOでやっていたので覘いた。
途中で眠っちゃったけど、面白かった。
こういう映画、本を創り出せる大島渚監督の清々とした
知性、感性、男臭くない個性が好きだ。
20代の良い時間、
真面目に付き合っていたのに婚期を失い
ただ、セックスに流れて溺れていった時期が
自分にもあったことを思い出した。
そう。
振り返れば、真っ直ぐで、ありったけで、月並みだけど、若かった。
出会って7年後、結婚はせず、縁が尽きたように別れた。
お互い好き合っていても、もう、どこにも走れなくなってしまっていた。
今でも、たまに見かけると挨拶を交わす。
その表情には、別々の道を歩き、他の誰かと寄り添い、お互い子供ができても、
ああ、好きになった気持ちを忘れないよ、忘れられなかった、と書いてある。
湿っぽいアベサダの気持ちは、惚れ切ったことのある女性ならわかるはず。
一本気な若い女性が相性のいい相手との
深いセックスに長く溺れると、それを失ったときの建て直しが大変だな、と思う。
知らない振りをしていても、心身で味わった快楽の波が脳から抜けず、
しばらくの間、ザーッと押し寄せて来たのを覚えている。
あまり刹那に求め続けると、人生の後半、キレイに飛べなくなるかもしれない。
上手に愛する、愛される、長く一緒に生きるコツ、ってある。
受け上手、負わせ上手みたいな気持ちの緩急の掛け合いみたいなもの。
口うるさく、激しく詰め過ぎなければ、ふんわり向き合っていける。
力が入って偏らない、流れ過ぎないバランスを取れるようになれば。
自分に置かれた荷物を正しく背負って歩く人は、順調に成長すると思う。
ゆうべ、シャワーを浴びながら
過去に付き合った彼らがくれた愛の言葉が
この身体に鮮やかな『染み』をくっきり残しているように感じた。
それでも。
わたしは白々と輝く冬の太陽を見上げる自分を、この腕に抱いて歩いていく。
たまらなく美しい終焉の、結実を見せる秋へ辿りつく事に憧れながら。
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