美しいお経

2005年12月19日 日常
ひどい地吹雪の中、一寸先は闇を感じながら運転した。
大型トラックと大型トラックがぶつかって道が遮られていた。
あと三分早く出ていたら、わたしたちは死んでいた。
行きも帰りも衝突事故を見かけた、ひどい悪路と天候だった。
山間地で編集会議を兼ねた師走恒例のすき焼き忘年会があって
夜九時に帰宅。ガードレールのない沢づたいの道を走る帰り、一瞬風が止み地吹雪が切れたとき、遠く漆黒の闇をバックにゆらゆらと数人の落ち武者のような影が刀を抜いて浮かび上がって驚いた。待ち人を斬ろうと長年待っているような怨念溢れる迫力にゾッとして息を呑んだ。よくみれば枯れたススキの、千年も立っているかのような風情に顔がないのが不思議なほどだった。

コメント