PRIVATE NUMBER

2005年8月6日 恋愛
ゆうべ、突然涙があふれて止まらないため、
マコ監督に電話をかけていた。
気持ちを見渡しても、
何かを思い詰めたつもりはなく
疲れた気持ちは確かにあったけれど
ごくごく自然に流れを素直にゆっくり受けていたのに。
たとえば、宇宙が本当に女性の子宮の中であるというなら
まるで大気のバランスが狂い、破れてしまった空のクレバスから
赤い肉が、たまらずボトボト落ちて来るかのように。
わたしの涙を押す力は
均一で長く高い津波の壁を保つ抗し難い重力のように
目のすぐ裏に長い時間、居座っていた。
彼はいつも的確に素早く状況を掴み
早く適切な言葉を繰り出し、どんどんクールダウンしていく。
人なるものを説くスペシャルなドクターのように
思考が落ち着く度にかけがえのない人だ、としみじみ思う。
火のついた幼児のようにエンエン激しく泣いていたのに、
わたしはゲラゲラ笑って電話を切った。
この番号の先にある声が、一瞬にしてわたしを救う。
素早く投げ続ける強くてすっきりした言葉が
流れそうになって手を伸ばすわたしを浅瀬に運ぶ。

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