後からしか思えないことだが、
人生の流れがクロスするひと。しないひと。
逃げようもなく奪われた命を思えば
簡単に「運」とは片付けられない。
「一寸先は闇」と、叫ばれる
この世で織られるタイミングのブラックホール。
昨日、会議に同席していた女性は
新潟中越地震の当日の23日に
被災中心部に当たる小千谷を
午後5時に通過したのよ、と
怯えるように言った。
関越の赤城で高速を降りさせられた為
下道で乗った大橋で味わった車上は
まるで大きく波立つ湖面に浮かぶボートにでも
乗ったように揺れたらしい。
びっちり渋滞し尽くした橋が我慢できず
切れて河に転落する、と思い
恐ろしくて夫と震えた、と声を荒げた。
もしも一時間遅かったら、直下だったのよ、、、目の前の現実が
映画のゴジラやウルトラマンさながらの地獄絵だった、と話した。
案じていた中越に住む友人は、ゆうべ電話がつながった。
それが、家族で関東方面へ旅行へ出ていたためニュースを見て
留守番していた家族のもとへ急いで帰宅して来たのだった。
しかし、不幸中の幸いかもしれない。
「ガスがまだ来ないから、家族が多いけどストーブで料理してるの。
この光景、一体いつの時代なんだかわかんなくなるねぇ。
テレビは棚から飛び出しちゃってたし、瀬戸物やガラスは割れ
タイルは落ちて、壁はひびが入っちゃった。修復はできるものの、ため息が出る。
お風呂は入れないから、お銭湯は見たこともないような凄い裸の行列なのよ。
まだまだ余震が激しいし、車に泊まってるからストレスは高いよ。
それでも、まぁ命があるから。」と、話した。
小学校低学年を先頭に
小さな子供が三人もいるので身を寄せて来たらどうか、と伝えたが
学校があるらしい。家が全然片付かないのに仕事もしているのだそう。
日本はどこかしら、クレージーじゃないか。
「儲けどき」と言って休ませない会社が信じられない。
社員の家がメチャメチャで家族の精神力も限界なのに、何よ。
明日、食器や食べ物を送る。
日持ちするケーキや栗羊羹、キャラメルなど
甘みが強くて、お茶と一緒に食べるものを多く選んだ。
暗い中にあっても、少しでも団欒を呼んで欲しい。
余震がひどいし、母の入院中という事態もあって
冷静に考えて現場には近づきにくい。
第一に、自分の子供も守らなければいけない。
地震、台風で痛めつけられている人々は
人生の楽しみ云々など、あったものじゃない。
恋愛で悲しいとか嬉しいとか喧嘩したとか、人生で抱かれる夢が
如何に幸せの術中にある思いなのだ、と気づく。
そう、こうやって日記を書けることすらも
それは特別な次元のことに思えて来る。
ISBN:4492042059 単行本 桜井 章一 東洋経済新報社 2004/02/27 ¥1,470
人生の流れがクロスするひと。しないひと。
逃げようもなく奪われた命を思えば
簡単に「運」とは片付けられない。
「一寸先は闇」と、叫ばれる
この世で織られるタイミングのブラックホール。
昨日、会議に同席していた女性は
新潟中越地震の当日の23日に
被災中心部に当たる小千谷を
午後5時に通過したのよ、と
怯えるように言った。
関越の赤城で高速を降りさせられた為
下道で乗った大橋で味わった車上は
まるで大きく波立つ湖面に浮かぶボートにでも
乗ったように揺れたらしい。
びっちり渋滞し尽くした橋が我慢できず
切れて河に転落する、と思い
恐ろしくて夫と震えた、と声を荒げた。
もしも一時間遅かったら、直下だったのよ、、、目の前の現実が
映画のゴジラやウルトラマンさながらの地獄絵だった、と話した。
案じていた中越に住む友人は、ゆうべ電話がつながった。
それが、家族で関東方面へ旅行へ出ていたためニュースを見て
留守番していた家族のもとへ急いで帰宅して来たのだった。
しかし、不幸中の幸いかもしれない。
「ガスがまだ来ないから、家族が多いけどストーブで料理してるの。
この光景、一体いつの時代なんだかわかんなくなるねぇ。
テレビは棚から飛び出しちゃってたし、瀬戸物やガラスは割れ
タイルは落ちて、壁はひびが入っちゃった。修復はできるものの、ため息が出る。
お風呂は入れないから、お銭湯は見たこともないような凄い裸の行列なのよ。
まだまだ余震が激しいし、車に泊まってるからストレスは高いよ。
それでも、まぁ命があるから。」と、話した。
小学校低学年を先頭に
小さな子供が三人もいるので身を寄せて来たらどうか、と伝えたが
学校があるらしい。家が全然片付かないのに仕事もしているのだそう。
日本はどこかしら、クレージーじゃないか。
「儲けどき」と言って休ませない会社が信じられない。
社員の家がメチャメチャで家族の精神力も限界なのに、何よ。
明日、食器や食べ物を送る。
日持ちするケーキや栗羊羹、キャラメルなど
甘みが強くて、お茶と一緒に食べるものを多く選んだ。
暗い中にあっても、少しでも団欒を呼んで欲しい。
余震がひどいし、母の入院中という事態もあって
冷静に考えて現場には近づきにくい。
第一に、自分の子供も守らなければいけない。
地震、台風で痛めつけられている人々は
人生の楽しみ云々など、あったものじゃない。
恋愛で悲しいとか嬉しいとか喧嘩したとか、人生で抱かれる夢が
如何に幸せの術中にある思いなのだ、と気づく。
そう、こうやって日記を書けることすらも
それは特別な次元のことに思えて来る。
ISBN:4492042059 単行本 桜井 章一 東洋経済新報社 2004/02/27 ¥1,470
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