上海に住む友人が北京にいて話しかけてきた。
「助けてください。人生で悩んでいます。」と、言う。
「何ですか。」日本メーカーの展示会に出ていた。

 出会いは、11年前の夏だった。
彼は、うちにホームステイした学生だった。
ただの小麦粉と棒を使い
あっと言う間に、ぷくぷくとした可愛い餃子を
次から次へと魔法のように手からニョロニョロ出して
フツフツとお湯が沸く、大きな鍋の中へ放り込むと
それらは、お祭りのように
如何にも気持ち良さ気に踊り出すのだった。

小ぶりで、とっても美味しい水餃子だった。

 ご両親は二人とも中国の大学の先生、姉がひとりいて
麻雀が家族の団欒ゲームなのだ、と教えてくれた。
根は真面目だが、話すと暢気なクラゲボンボン風。
そんな彼を通して、わたしは初めて中国に触れた。

「一体なにが、どうしたの?」
「会社を創るのですが、混乱して何から始めたらいいか、
わからない。」などと言う。なんでよ。

「正確に実情を把握する。順番を整理する。
でも、冷静になれないなんて可笑しい。
頭が回らないなんて、やめなさい。振り回されるわよ。

だって、たとえばの話をして。
あなたが長い旅行に大勢の人と出ることになった。
地図を確認しない、手持ちのお金を数えない、天気予報を見ない、
みんなの体力も測らない、なんて責任がない。
自分をはじめ
なるべく多くの人間にとって
一度きりの時間、本当に良い旅行にするなら、
多くのやるべきことがある。
それが見えないまま出発しようとするのは、時期早々というもの。
悪い会社を、無駄に創って傷つく必要なし。
時間が、もったいない。暫し、待つべし。」

もう、いぃーかぃ。
まぁ、だぁだよぉ。
みなさまも叫びたいとおり。

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