携帯からの国際電話の登録を申し込んだ。まぁ、仕方ない。

 名前を出せない知人の映画監督(母のみ知る)がいて、職業柄から、また生い立ち上からも家族愛や男女論に長けている。時折思いついてメールを入れたり電話をかけて恋愛談義を交わす。最近かなり忙しい方なのだが、ゆうべ時間を分けてくれた。

 彼は年齢が少し上で独身、芸能界という派手な世界に長く身を置いているせいか、凝縮されてるような経験をともなっている気がする。

 性格は、誠実で優しく頭がいい。一見冷淡なようで、さっぱりとした彼の優しさは本物だと思う。男性を知るたび、その言葉の重さを知る。視野が広いのに物事の狭義に迫るわけで、表現力に奥行がある彼と話すと、スッキリする。電話を切った後は、まるで気持ちのいいシャワーを何年ぶりかで浴びたかのようだ。田舎には、いないなぁ。彼を手放した女優は馬鹿だ。間違いなく、後悔してると思う。

 
 フランスの彼について話したら「リスクが大きい。」と言い、枯渇した砂漠上のハートに水が沁みるように愛へと走っているなら冷静さに欠けてダメだよぅー、などと良くない感想を述べていた。(でも、愛情表現に濃厚なフランス人だしね。女性を「かわいくて美味しい砂糖菓子」の如く扱うんだよね。)

 そうだよ、始まったらリスクはある。でも、そんなのお互い様だよね。彼の方こそリスクも高い、わたしの方からだけ量れない話だと思う。何かを選択する場合、犠牲も伴うし捨てなければいけないものも必ずあるわけで。

 なるべく上手く生きることを心がけるべきだが、一方的で打算的ではいけないと思う。必ず、自分の人生を下げ相手をも下げる。そんなの、馬鹿らしい。

 若く才能と勇気ある男性が目の前に何人か現れ、「愛したい。」と、わたしに言う。

 あなたなら誰をとるか。何をとるか。何処を見るか。

 わたしは十数年後、年老いたふたりの生活を想像してみる。いまと大して変わらず、のびのびした自分と彼が見える相手を、選びたいなぁーと思う。

 いかがでしょうか。

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